たちかわさんのつれづれ日記

北海道十勝で生まれ育ち、幼稚園教諭➔お母さん➔子育て支援に従事と、大人になってからの四半世紀、ずっと子どもに関わり続けてきたワタシ。最近は”サスティナブル(持続可能な)”、”ダイバーシティ(多様性)”なんて横文字を良く耳にするけれどそれらの言葉は私達の日々の暮らしにどう関わっているのだろう。目先の事と将来の事、遠近両用シニアグラスの様な視点で日々の暮らしの中で気づいた事をツラツラとつづって行きますのでお時間のある方はどうぞお立ち寄り下さいませ。

立たずにはいられないからそこに立った話

こ、こんにちは〜。

ご無沙汰しすぎてブログの書き方を忘れてしまいそうな立川です。

前回更新からぐーーーんと時空を超えて今は2023年6月。コロナ騒動もひと段落です。

4月に行われた統一地方選挙を経て、無事に3期目も町議会議員として始動していますが、この度は芽室町議会史上初となる無投票選挙となり 現職議員だった私たちはとてつもなく大きな宿題をいただきました。

これからの任期4年間で挽回し、より多くの方が議員を目指し立候補してくださるよう議会一丸となって取り組み始めています。

さて、5月9日に開会した令和5年度初議会にて、私は人生初となる(滅多にない経験)副議長選挙に立候補しました。自分が3期目中堅となること、無投票選挙となりこれから自分は何をなすべきか?他者にジェンダーイコール(男女共同参画)の事を指摘するだけで良いのか?まっさらな状態から「議会改革日本一」の議会で鍛えられてきた自分のスキルを活かすべくリーダーシップを発揮しなくて良いのかジブン?と、突き上げる衝動に駆られるまま、長い長い所信表明原稿を書き上げ、副議長選挙に立候補したというわけです。

私の第一目標はしっかりと所信表明を公開の場で行う事でしたので、当日までいわゆる「根回し」のような事はせず(同期の皆さんには報告を行いました)、登壇しました。結果は予想通り落選しましたが、人生初のチャレンジを成し遂げられ、今は満ち足りた気持ちでいっぱいです。

さて、初心忘れるべからずと、私の長い長い所信表明原稿3400字を記録としてここに貼り付けておきます。興味のない方はここでおしまいにしてくださってOKです。読み原稿なので、句読点の使い方などは正しくないのですが、あえて修正せずに掲載しますね。

 

副議長選挙に際する所信表明

副議長選出にあたり、芽室町議会基本条例第19条の定めに則り、私が目指したい議会のあり方について所信表明を行います。私は、今後4年の任期において議会基本条例が描く議会の姿を具現化することで、私たちが、町民にとって魅力ある議会、真に役に立つ議会となることを目指したいと考えます。

芽室町議会基本条例の前文にはこう記されています。

「議会は町長等と緊張関係を保持しながら、町民の最高意思決定機関であることを認識し、町民の福祉向上と豊かなまちづくり進展のために活動すること。議会は合議制の議事機関であり、情報公開、共有、説明責任の遂行により、町民の意思を的確に把握し自由闊達な討議を通じ最も有益な結論に導く責務がある」、つまり、町長同様、選挙によって町民から選ばれた私たちは長とは異なる機関の構成員、すなわち二元代表制の一翼として、町長が提案する議案の可否のみを諮る追認ではなく、広く聞いた町民の声を資源に、議員同士が良い話し合いを持ち、最良の結論をもって、時には町長提案に修正をかけることもいとわない、意志の強い議事機関としての役割を果たすことが求められると考えます。

私が2015年に初当選した当時の芽室町議会は早稲田大学マニフェスト研究所が実施する議会改革度ランキングにおいて連続1位を獲得する、超先進自治体議会でした。

政治分野においては経験の少ない私ではありましたが、それまで議会活動を牽引されてきた当時の議長や諸先輩、事務局職員の導きによって、二元代表制の一翼を担う議会議員の心構えなど徹底的に鍛えられ今に至っております。

本日、これに先立ち、議長選出に立起され素晴らしい論戦を展開されたおふた方も私と同じく初当選以降、共に研鑽を積んできた同志であります。選出された〇〇議長におかれましては今後もこれまで諸先輩たちが構築されたレガシーを引き継ぎ、より一層の議会改革、議会活性化の進展を成し遂げられると期待致します。

さて、私が副議長に選出されたあかつきには、〇〇議長が進めたい政策をどのように支え、推進するために尽力していくのかについてお話ししたいと思います。

第一に、議会としての意思決定に至るまでの議員同士の話し合い、議員間討議力のさらなる向上を図ります。基本条例第3条には議員の活動原則として、議事機関としての責務、自由闊達な議員間討議を行うことが定められています。

言論の府、議会において議員同士が質の高い議論を行うことは、議会活動を行う上で重要な基盤だと考えます。そのことを認識し私たちは、これまで議員のファシリテーションスキル向上や、対話の理論を学び、話し合いのグランドルールを設けるなど、精度の高い話し合いを行うための研鑽に務めてきました。

今後は、より充実した議員間討議を行うために、経験年数の少ない一期生の皆さんでも安心して発言できるよう、議会内の心理的安全性の担保に努め、また「議会としての結論」が導き出せるよう、重要な審議の際に行う本会議中の自由討議や、予算決算審査後には、提言に繋げるための議員間討議の実施など、議会による評価を起点とした政策サイクルを回すことついても研究を進めながら、議会機能の強化と、チームとしての議会力向上を推し進めます。

第二には、専門的な知見活用や議員が学びやすい環境整備に取り組みます。

基本条例第6条には、議員研修の充実について定められています。

毎年議会では議員研修計画に定められた研修を実施しています。しかしながら、時には所管事務事業調査を行う上で、外部からの知見活用を求めたい場合があります。

議員同士が正しい情報を得た共通認識のもと、それぞれの意見を交わすことが質の良い議論につながりますので、議会が各分野における専門家に嘱託した議会サポーター諸先生のご所見や、またこれまでの議会改革における取り組みで、交流のある先進事例をお持ちの他自治体議会とのネットワークなどを有効に活用しながら、議長が歩みを止めることなく議会活性化を推し進めるためのサポートを行います。

また、各議員がタイムリーに調査研究が行えるよう、政務活動費の必要性についてさらに議論を進めることをご提案したいと考えています。

第三には滞りがちな事業の効率化を考えます。毎年実施する各委員会が取り組む抽出事業進捗工程表などの事業評価についても、肌感覚ではなく定めた目標の達成度に具体的な数値を設定するなど業務推進の効率化も図りましょう。現行事業の縮小や削減ではなく、よりわかりやすく合理的な手法を検討することで委員長の負担を減らし議会活動にメリハリをつけます。

第四に多様な議員が働きやすい議会、多様な議員の成り手についても議論を進めることを提案します。昨年度、私たちは多様な議員の成り手についてW S形式を用いた議員間討議を行いました。

性別、年齢、職業、障害の有無、それぞれの家庭環境など多様な背景を持ちながらでも議員を志したい方が立起できるためには、どのような環境整備が必要なのかは真剣に取り組む必要があります。

定数、報酬などは、引き続き前向きな検討の余地がありますし、まずはこの場にいらっしゃる同僚議員の皆さんが、どのような状況下にいらしても会議に参加できるよう、オンライン会議活用の要件緩和の必要性について、再度検討の場を設けることを提案したいと考えます。

会議を休める要件緩和ではなく、出席できる要件の緩和を行うことで活発な会議運営につなげます。

また、議会広報の強化にも努めます。紙媒体のみならず、議会S N Sからの発信も強化し、議会目線に立った情報をタイムリーに発信することで、老若男女、多様な層からの関心を得ることに注力します。

町民と共に学び意見を交わす議会フォーラムの開催も必要です。議会、議員を身近に感じてもらえる機会を作りましょう。

この度の町議会議員選挙においては、本町議会始まって以来初の無投票選挙となりました。私は、現職議員として、これまで自らが行なってきた一つ一つの選択の結果にこのような事態を招いた一因であったのではないかと重く受け止めております。

その時々において、より良い判断ができる議会になるためにも、議員一人一人が学び続けることで質の良い議論を経た結論を導き出すことを目指しましょう。

町民にとって頼りになり、役に立ち、魅力のある議会の姿を同僚議員の皆さんと作り上げるために、これまで私が2期8年間、自己研鑽に努め、培ってきた経験や情報、ネットワークなどを有効に活用します。議員にとっても楽しくやりがいのある議会活動を共に進めてまいりましょう。

結びに、議会におけるジェンダーイコールについて少しお話をさせていただきます。

芽室町議会に初めて一人の女性議員が誕生したのはたった20数年前のことです。

現在は私を含め3人の女性議員がいますが、女性議員の成り手不足は解決すべき社会課題の一つとなっています。

政治分野におけるジェンダーギャップでは世界139位という日本の現状を憂う意見は町民の中からも多く聞かれます。

そうした中、これまで私が出会った歴代の議長は少数派の女性議員を常任委員長に登用するなど、最大限の配慮をなさってこられたことは十分認識しております。

しかしながら、やはりそれは多数派の男性から与えられたポストでありました。

私はこれまで、執行機関に対し、役場組織における女性の登用率の低さや、町の基幹産業である農業政策の意思決定の場に女性の数が圧倒的に少ないことなどを強く指摘してまいりましたが、この度の本町における選挙結果や、2015年から成り手不足に取り組まれてきた十勝管内自治体の素晴らしい成果などを目の当たりにし、私は恵まれた環境の中、ずっと受け身のまま議員活動を行なってきたことを猛省し、この度この場に立つことを決意しました。

今後、議会が、若年者、女性、多忙な現役世代、L G B T Qなど、生きにくさを感じながら社会情勢や政治の現状に諦めを持ち、声を出すことができない層に向けたアプローチを行うには、女性の私が副議長に就任することは大きな意義があるものと考えます。ジェンダー平等の観点のみならず、先述してきた私のキャリア、これから取り組みたい政策案等も踏まえ、同僚議員各位におかれましては、ぜひ議会の未来を見据えたご判断をしてくださいますようお願い申し上げ、私の所信表明を終わります。 ご清聴ありがとうございました。